肥満細胞腫

【発生状況】
犬の皮膚腫瘍中16~21%を占め、皮膚腫瘍の中で最も多い腫瘍です。
発生年齢は平均9歳ですが、3週齢~19歳齢で発生の報告があります。
発生しやすい犬種としては、ボクサー・ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー・シュナウ
ザー・パグなどです。多くの場合孤立性の小結節として生じますが、10~15%の症例で多発性
に認められます。
皮膚および内臓に発生しますが、犬の場合はほとんどが皮膚に発生します。
内蔵型は皮膚からの転移であることが多いです。
【症状】
腫瘍表面の潰瘍化、肥満細胞からのヒスタミンやヘパリンの脱顆粒により、腫瘍局所周辺の紅
斑、膨疹が認められる(ダリエ徴候)
また、全身的なヒスタミン血症により胃・十二指腸潰瘍を起こし、消化管内出血、嘔吐、下痢等
が認められます。
【診断】
皮膚腫瘍の細胞診により診断できることの多い腫瘍の一つです。その他、遠隔転移などの有無
をレントゲン検査、超音波検査等で調べる必要があります。
【治療】
外科手術によって腫瘍を摘出するのが第一選択の治療になります。
機能的、器質的な障害が起きない範囲内でできるだけ広範囲な切除が求められます。また、腫
瘍の発生場所や組織学的グレード(悪性度)によっては、放射線療法や抗がん剤による化学療
法を組み合わせることで治療効果が上がります。
【予後】
肥満細胞腫における一年生存率
グレードⅠ・・・・・83%
グレードⅡ・・・・・44%
グレードⅢ・・・・・・6%
ボクサー・パグ・ゴールデンレトリバーでは予後が良いものが多い。
食欲低下、嘔吐、黒色便、広範囲の浮腫や紅斑があるものでは予後が悪い。
ただ、これはあくまでもデータとして参考にする値に過ぎません。実際はこのようなデータを覆す
つもりで治療していきます。

リンパ腫




